ロシア正教になるウラジオストクのクリスマスは、他の国のクリスマスとは大きく違った一面があります。
日本からわずかな時間で行けるウラジオストクは、ヨーロッパの街並みを手軽に体験できる街として、クリスマスムードを味わう観光も人気です。
今回はウラジオストクのクリスマスについてと、クリスマスをウラジオストクで過ごすためのムードあるスポットをご紹介します。
他とは違うウラジオストクのクリスマス
ウラジオストクを含むロシアではキリスト教系に属するロシア正教を信仰する人が多く、クリスマスの様式もロシア正教の流れをくんでいます。
ソ連時代には宗教は禁止され弾圧されていましたが、ロシアへと変わりプーチン大統領がロシア正教を復活させました。
ロシア正教ではクリスマスもキリスト教圏とは違ったお祝いの仕方となっています。
ウラジオストクのクリスマスは新年明けてすぐ
多くの国では12月25日がクリスマスですが、ロシア正教のクリスマスは新年明けてすぐの 1月7日になります。
そのためロシア正教のお祝いをするロシアにおいてクリスマスといえば、1月7日になっているのです。
お祝いの日が10日ほどずれていますが、その理由はキリスト教はグレゴリオ暦を採用しているのに対し、ロシア正教ではユリウス暦を採用しているから。
それぞれの宗教が採用している歴による違いで、クリスマスの日に違いが生まれています。
12月25日は何もない普通の日
ウラジオストクを含め、ロシアのクリスマスは新年明けてすぐの 1月7日となってるので、欧米でクリスマスをお祝いする12月25日はロシアでは何もない普通の日です。
12月25日はあくまでもキリスト圏のお祝いの日で、ロシアではやがて迎える新年の準備をし始める頃になっています。
クリスマスより新年のお祝い
ロシアのクリスマスは新年からクリスマスにかけて家族で静かにお祝いするのが一般的ですが、最近では海外からの観光客などに合わせて12月25日にお祝いするところも増えつつあります。
ウラジオストクの中央広場には、ヨールカと言われる大きなツリーやオブジェが設置され、特にライトアップされた夜の姿が美しいです。
ウラジオストクのクリスマス市内観光
クリマスマスの雰囲気を味わえるウラジオストクの観光スポットを見ていきましょう。
日本からもクリスマスのウラジオストクツアーがあるので、利用して訪れるのもいいですね。
中央広場のツリー(ヨールカ)
ウラジオストクの中央広場には、12月25日のキリスト圏のクリスマスの時期になると、ヨールカ(ёлка)と呼ばれる大きなツリーが現れます。
きれいに飾り付けがなされ、夜には美しくライトアップされるヨールカはクリスマスツリーのように思えますが、実は新年のお祝いのためのもの。
その頃には広場にスケートリンクも出来ていたりするので、お祝いついでにスケートを楽しむこともできます。
鷹の巣展望台
クリスマスにウラジオストクの街が一望できる鷹の巣展望台に行くのも定番のひとつ。
街や金角湾の橋、海が見渡せる眺望できるウラジオストクで人気の観光スポットで、ウラジオストク駅から比較的近くにあります。
麓まではケーブルカーかバスで行くことができ、1本道を歩くと展望台に出ます。
ライトアップされた夜のシーンの眺望は、格別の美しさがあります。
凍った海の上を歩くこともできる?
ウラジオストクの冬のシーズンは気温が常にマイナスとなり、時にマイナス30度になることも。
極寒の時期の海は海岸線が凍り、海の上を歩くこともできます。
日本ではなかなか海の上を歩ける体験ができないので、クリスマス観光で訪れた際に凍った海を体験するのも良いでしょう。
クリスマスにはウラジオストクの教会を見てみよう
ウラジオストクにはいくつかの教会があります。
クリスマスでは讃美歌がうたわれていたりするので、クリスマスの雰囲気抜群です。
美しい様式の教会も多いので、クリマスマスの観光に見て回るのもおすすめ。
パクローフスキー教会
ウラジオストクの観光スポットでもあるパクローフスキー協会は、1897年に墓地と共に建設されたものの、ソ連時代の宗教弾圧により一旦は取り壊されました。
国がロシアへと変わり、2003年にふたたび建設され現在の姿となっています。
内部へは夜7時まで入ることができ、夕方に鳴る鐘が異国情緒をかもし出してくれるほか、夜にはライトアップされるので昼間とはまた違った美しい姿を見ることができます。
聖パーヴェル・ルーテル教会
1909年に建設されたゴシックの様式の教会が、プーシキンスカヤ通りにある聖パーヴェル・ルーテル教会です。
ドイツ人の建築家ゲオルグ・ユングヘンデルの計画によって建設され、注目すべきポイントはドイツより運び込まれた数多くのレンガで作られた外観です。
教会では、普段の礼拝以外にもオルガンでの演奏などが行われています。
聖アンドレイ教会
聖アンドレイ教会はC56潜水艦博物館や、ニコライ二世凱旋門近くにあるロシア正教の教会です。
教会の前に、第二次大戦の戦没者を悼む永遠の火が燃え、観光客の撮影スポットとなっているほか、結婚の撮影にもよく使われている場所。
すっきりした綺麗な外観に、荘厳な雰囲気の内部となっています。
ウスペーニア教会
ウスペーニア教会は金角湾を横断する金角湾大橋の下に位置し、ウラジオストク駅からのアクセスも良い場所にあります。
子供がよく洗礼を受ける教会でもあり、お昼ごろに行くと洗礼の様子を見ることができるかもしれません。
ロシアの教会の特徴でもある玉ねぎ型の屋根も美しく、写真にも収めておきたいところ。
ロシア正教の十字架は他とは違うかたち
ロシア正教でもキリスト教と同じように十字架を用いていますが、十字架もキリスト教のものとは違う独特の形をしています。
キリスト教の十字架は十字の縦・横のクロス形で、縦の棒が長くなっていますが、ロシア正教の十字架はキリスト教の十字架に、さらに横棒が上下に2本入り、下の棒は左上から右下に向かって傾斜が付いた珍しい形なのです。
ウラジオストクで独特な文化クリスマスを楽しもう
ロシア正教はキリスト教に属しながらも、独特な文化を持っています。
その影響がウラジオストクのクリスマスにも影響を与え、キリスト教のクリスマスが12月25日なのに対し、ウラジオストクのクリスマスは新年明けてからの 1月7日です。
キリスト教のクリスマスの頃には新年のお祝いのためのツリーも登場し、どこかクリスマスのような雰囲気もあります。
ウラジオストクのクリスマスを楽しむのに日本からのツアーもあるので、クリスマスを体験したい方は利用してみるのもよいですね。