ロシアの日本に対するビザの緩和により、ウラジオストクを含む沿海州では電子ビザでの申請が可能となりました。
8日以内の観光で 1つの都市のみの観光に限定されたビザではありますが、ロシア旅行の手続きが楽になったこともあり、現地を訪れる日本人観光客の数も増えています。
ウラジオストクと並んで人気の都市がハバロフスク。
今回はウラジオストクとハバロフスクの 2つの都市を比較しつつ、それぞれの都市の魅力についてご紹介します。
ウラジオストクとは
出典元:https://www.rbc.ru/politics/13/12/2018/5c1267859a794778e0dd7cdb
最近日本でも人気の観光地として候補に挙がってきているのが、ロシア極東に位置する都市ウラジオストク。
ソ連時代は外国人の立ち入りが禁止されていた秘密都市でしたが、ソ連の崩壊とともに街も解放され、現在では外国人に人気のスポットとなっています。
気候はモンスーン気候に属し、夏場は年間で最も降水量の多い時期で、冬場は風が強い日も多い反面、積雪量はそれほど多くありません。
ウラジオストクの基本情報
ウラジオストクはロシア極東に位置する都市で、ロシアの行政区分では沿海州に属し、州都でもあります。
人口は 605,000人ほど(2019年度統計)で、年々人口が増加傾向に。
日本との時差はウラジオストクの方が 1時間進んでいるので、観光に訪れても比較的時差の影響を受けません。
ウラジオストク基本情報
行政区画 | 沿海州(州都) |
人口 | 約 605,000人(2019年度統計) |
公用語 | ロシア語 |
通貨 | ロシアルーブル |
日本との時差 | + 1時間(UTC+10) |
ウラジオストクへのアクセス
ウラジオストクへは飛行機がメインとなり、成田空港よりウラジオストク空港への直行便が日曜から土曜まで毎日運行されています。
7月から8月の夏季には、期間限定で新潟空港よりウラジオストク直行便が週 2日程度運航され、日本海側からでもアクセスが可能に。
ウラジオストクの主な観光地
ウラジオストクの主な観光地には、眼下に街並みを見渡せる鷲の巣展望台のほか、C56潜水艦博物館、ニコライ 2世凱旋門、ヴォロシーロフ砲台博物館など歴史的軍需施設があります。
歴史を感じるウラジオストク駅やグム百貨店のほかに、ウラジオストクで最も歴史のあるベルサイユホテルも過去にタイムスリップしたかのような雰囲気で周辺環境もいいので、宿泊先としてもおすすめです。
ハバロフスクとは
ハバロフスクは極東ロシアの内陸地に位置し、大河アムール川のほとりにあります。
丘陵に面した都市であることから、ウラジオストク同様に坂の多い場所として知られていますが、石造りでできた街並みがとても美しい都市です。
ウラジオストクと同じくモンスーン気候に属するため夏は湿気が多くて蒸し暑い日も多く、冬場は気温が低くなることも多いですが、積雪量は少なめとなっています。
ハバロフスクの基本情報
ハバロフスクの人口は約 617,000人(2019年度統計)で、年々減少傾向にあります。
ハバロフスクはもともとロシア極東における行政の中心的都市でしたが、2018年にその座をウラジオストクに譲っています。
理由は停滞傾向で人口減少となっているハバロフスクよりも、発展につながっているウラジオストクの方が中心都市としてふさわしいと判断されたため。
ハバロフスクの由来は、17世紀に活躍したロシアの探検家の名前より付けられています。
ハバロフスク基本情報
行政区画 | ハバロフスク地方 |
人口 | 約 617,000人(2019年度統計) |
公用語 | ロシア語 |
通貨 | ロシアルーブル |
日本との時差 | + 1時間(UTC+10) |
ハバロフスクへのアクセス
ハバロフスクへは成田空港から週 3日(火曜、木曜、日曜)航空便が出ており、フライト時間は 3時間10分ほど。
また、毎年 7月と 8月の夏季のみの期間限定で、新潟空港からもハバロフスク便が出ており、フライト時間は 2時間15分と短時間で着きます。
ハバロフスクの主な観光地
自然と街並みが美しいハバロフスクですが、ロシアらしい玉ねぎ型屋根のウスペンスキー教会やスパソ・プレオブラジェンスキー大聖堂、レーニン広場などが主な観光地です。
自然の中を散歩できるアムール並木通りや、巨大なアムール川のほとりをのんびり空気を吸いながら歩くのも人気になっています。
ウラジオストクに比べると観光地などが少ない印象ですが、美しい街並みの中を歩くだけでもいい目の保養となるでしょう。
ウラジオストクからハバロフスクへ
ウラジオストクからハバロフスクは 800Kmほどの距離で、行く手段に飛行機や列車があります。
飛行機は 1時間半ほどのフライト、ウラジオストク駅からハバロフスクへは距離もあるので12時間と長時間の列車移動です。
旅行に必要な日数は?
どれだけ観光地を回るかなどにもよりますが、基本的な観光地を巡る場合、ウラジオストクに 2日間滞在、ハバロフスクにも同じく 2日間の滞在で都市間の移動も含め、6日間の行程があればいけるでしょう。
ただし、毎日便のある成田からのウラジオストク便に対し、ハバロフスク便は週 3日なので、フライトに合わせた行程にする必要があります。
もう少しのんびり滞在したい場合や、可能な限り観光地を巡りたい場合はもっと日数が必要ですが、いずれにせよ少し余裕を持たせた行程計画をしておくとよいでしょう。
アクセスにシベリア鉄道を利用する
ウラジオストクからハバロフスクへのアクセスは移動時間が最短で到着する飛行機のほか、のんびり移動したい場合はシベリア鉄道を利用する手段もありますので、都合に応じて選ぶと良いでしょう。
列車は11時にウラジオストクを発つ「ロシア号」のほか、21時にウラジオストク駅を発つ「オケアン号」があります。
オケアン号は夜間寝台列車となり、翌朝ハバロフスクに到着しているので就寝時間を移動時間にすることもできます。
旅行ツアーを利用する
自分で行程を決め旅行するほか、初めてロシアを訪れる場合など不安な面もあるでしょう。
その場合は旅行会社のツアーで申し込むと入国の手続きや、移動手段の手配など行ってもらえるので必要に応じて利用するのも手です。
ウラジオストクもハバロフスクもそれぞれ印象的な街
歴史的背景もあり観光地の多いウラジオストクに対し、観光地の数ではやや劣るものの石造りの美しい街並のハバロフスク。
どちらも緑の自然あふれる都市ですが、それぞれにまた違った空気感や街の色を感じることができます。
人口も同じくらいの都市で、坂が多いという共通点もあるウラジオストクとハバロフスク、両方訪れても後悔のない旅行となるでしょう。